宇治抹茶スイーツ誕生をささえた「茶游堂」の歩み

宇治抹茶スイーツ誕生をささえた「茶游堂」の歩み

2018/10/25

抹茶スイーツは今でこそ定番ジャンルになっていますが、その誕生までには多くの苦労があったといいます。今回は「抹茶スイーツ」を確立した茶游堂の歴史と、宇治抹茶へのこだわりをご紹介します。

この記事のまとめ

    ここ数年で、すっかり定番となった抹茶の風味豊かな、「抹茶スイーツ」。その人気は、国内だけに留まらず、海外でも抹茶は「和」の象徴であり、健康的なイメージから広く支持され、外国人観光客のお土産としても人気です。

    世界的にも存在感を増している抹茶スイーツを世に送りだしたのは、京都宇治に本店を構える「茶游堂」の当主、林屋和成氏であることをご存知でしょうか?

    今回は、抹茶スイーツ誕生までの秘話やその魅力について、林屋氏に語っていただきました。

    「茶游堂当主 林屋 和成氏」

    メーカーの“こだわり”

    お茶本来の美味しさを広めたいと、抹茶に注目

    抹茶スイーツづくりの先駆者である林屋氏に、今の抹茶スイーツ人気について聞いてみました。

    外国人観光客向けにもっと知ってもらおうと
    成田空港で期間限販売を実施

    「抹茶スイーツは、もともとお茶文化の根付いた日本国内では、ずいぶん前から商品ジャンルの一つとして確立されています。それがここ数年、海外でもたいへん人気で、来日のお土産としてだけでなく、海外での催事依頼も増えてくるようになりました」
    と話す、林屋氏。


    抹茶スイーツ誕生のルーツをたどる

    今でこそ、定番のお菓子となっている抹茶スイーツですが、誕生に至るまでは、越えなければいけない壁があったと林屋さんは語ります。

    「昭和60年頃まで、緑茶は急須で淹れて飲むものというのが常識でした。 そのため、淹れる人の腕によって緑茶の味が安定しない、淹れ方が難しい飲み物だったんです」

    ところが、平成元年に缶入りのお茶が登場。いつでもどこでもお茶が手軽に飲めると、販売数を伸ばしはじめました。
    当時、京都の老舗お茶屋さんに勤めていた林屋氏は、「このままでは手軽に飲めるお茶文化が浸透し、お茶本来の味を知る人が減ってしまう」と、危機感を感じていたといいます。
    そこで、林屋氏はお茶の王様ともいえる、抹茶にスポットを当てることを思いつきます。

    「緑茶が煎茶を原料にしているのに対して、抹茶は碾茶(てんちゃ)を粉末にしたもの。お茶の葉の旨み、栄養を余すところなく味わい尽くすことができる抹茶は、ヘルシーで希少価値も高いものです。なかでも、宇治抹茶は日本を代表する抹茶。その魅力をもっと広く伝えることはできないか、と考えるようになりました」
    と、当時を振り返る林屋氏。

    この想いから抹茶を使った商品づくりがスタートし、試行錯誤の末、たどり着いたのが抹茶と洋菓子を組み合わせた、抹茶スイーツだったのです。


    斬新すぎて理解されにくかった、初代・抹茶スイーツ

    さっそく林屋氏は、勤め先のお茶屋さんで抹茶スイーツの商品化に取りかかりました。
    けれど、当時としてはあまりに斬新なアイデアだったため、社内外から反対する声が多くあがったそうです。

    「お茶屋は、お茶だけを売っていけばいい、こんな緑色の商品が売れるわけがない。社内外から、抹茶スイーツに対する反対の声が聞こえてくる毎日でした」

    それでも林屋氏は、抹茶スイーツづくりを諦めませんでした。 会社内に抹茶スイーツの部署を立ち上げ、『抹茶トリュフチョコレート』を発売。 すると、周囲の予想に反して飛ぶように売れ、翌年からバレンタインデーやブライダルからのニーズも高まりました。

    「洋菓子に負けない、抹茶独特の美味しさは、必ず多くの人々に受け入れられる」 そんな林屋氏の想いが実った瞬間でした。
    これをきっかけに、抹茶×洋菓子が「抹茶スイーツ」と呼ばれるようになったそうです。


    抹茶スイーツの名店「茶游堂」のはじまり

    抹茶スイーツに手応えを感じた林屋氏は、宇治抹茶の未来を守るため京銘茶「茶游堂」を立ち上げました。

    “宇治のお茶の風味を後世にスイーツの形で残す”とのコンセプトのもと、食べるお茶、抹茶スイーツの販売が始まりました。

    「今では、多くのメーカーからさまざまな抹茶スイーツが出ていますが、着色料・香料を使用したもの、お茶の味を感じない商品も少なくありません」 と、胸を張る林屋氏。


    「茶游堂本店」京都駅から約20分。
    JR六地蔵駅から徒歩5分程度で着きます。

    「茶游堂の商品は“お茶屋さんが本気で作るスイーツ”です。抹茶スイーツの元祖として“宇治抹茶本来の味”を多くの人へと伝えていくためには、そのスイーツに最適なお茶を合わせなければなりません。私達は、とことんこだわり続け、追求しています」

    「茶游堂」店内。
    強い信念から生みだされた逸品の数々

    ~宇治抹茶の風味や味わいをそのままに、スイーツと融合させる~
    これは、お茶づくりを大切にしてきた茶游堂だからこそ、できること。

    目でも舌でも楽しめる格別な美味しさ、そして本物のお茶にこだわった逸品がここにあります。


    茶游堂がたどりついた、本物の抹茶スイーツ

    これまで、茶游堂では『抹茶しゅーくりーむ』、『抹茶バウムクーヘン』、『抹茶ぷりん』など、身近なスイーツに本物の抹茶を合わせた商品を数多く世に送りだしてきました。

    なかでも、不動の人気を誇るのが『抹茶ロールケーキ』だったといいます。


    商品の“こだわり”

    茶游堂で人気No.1を誇る<宇治・濃茶ロールケーキ>

    <宇治・濃茶ロールケーキ>は、雑誌やテレビなどのメディアでも多く取り上げられた、茶游堂の看板スイーツ。
    平成18年(2006年)の発売当初から注目され、販売本数10万本を突破した最高傑作ともいえます。

    箱を開くと、ふんわりとした黄色いスポンジと抹茶の緑の濃いコントラストが目をひくロールケーキ。目にも鮮やかな緑の抹茶クリームがたっぷり。そのボリュームに驚く人も多いのもわかります。


    丁寧に臼挽きした宇治抹茶クリーム

    宇治抹茶クリームは、抹茶の風味を損なわないよう、臼挽き宇治抹茶を使用。抹茶のもつなめらかな舌触りと豊かな香りや風味、上品な苦みを味わうことができます。

    ひと口いただくと、抹茶本来の苦みが広がり、まさに抹茶を「食べている」感覚を楽しむことができます。
    濃厚な抹茶クリームと自然な甘みを感じるスポンジケーキとの相性もよく、重すぎない軽い口どけで、大人をうならせるロールケーキに仕上がっています。
    スイーツ好きはもちろん、どなたにも食べやすいお茶うけとして、お土産としてたいへん喜ばれることでしょう。

    ひとつで三度美味しい、大変身するロールケーキ

    ケーキの中心部にどっしりとボリュームのあるクリームを巻くと、どうしてもこぼれ落ちてしまうという難点がありました。

    そこで、「冷凍保存」することで、クリームがこぼれることなくお届けでき、しかも「解凍の程度によって3つの食べ方ができる」という新しい魅力が生まれたといいます。
    実際に、3つの食べ方を実践しながら、その美味しさのワケをご紹介します。


    半解凍
    アイスクリーム感覚でなめらかな口どけが楽しめる抹茶クリームに、ふんわりスポンジがベストマッチ。
    「これまで食べたことのないようなフレッシュ感のあるロールケーキ」は、いくらでも食べられそう。
    多くの方に、もっとも人気を集める食べ方というのも納得です!

    冷蔵
    冷蔵庫で3時間ほど解凍すると、半解凍よりもクリームがやわらかく、抹茶の風味が強く感じられます。
    「半解凍にはない、クリームのなめらかさ」に驚き。とろとろの抹茶クリームをスポンジと一緒にいただくと、素材の味がより濃く感じられます。


    常温
    常温で、抹茶クリームが溶けだした頃が食べ頃。 フォンデュのようにスポンジをクリームにからめて食べると、濃厚な抹茶の香りと風味が存分にお楽しみいただけます。
    ひとつで三度美味しい!「まったく違うスイーツ」に大変身しました。


    まずは半解凍で味わい、時間をおいて冷蔵、常温と、抹茶クリームと溶かすように、3つの味わいを堪能できます。温度によって、ここまで香り、風味、美味しさが変化していくおもしろさは、<宇治・濃茶ロールケーキ>ならでは。林屋氏をはじめとする作り手の皆さんも、ぜひそこを味わってほしいと話してくださいました。

    今や、抹茶スイーツの老舗である茶游堂ですが、その歴史は“革新”と“挑戦”の連続。
    「お茶への想い」「宇治抹茶へのこだわり」をスイーツに込めて、今後も茶游堂が提案する「ほんまもん」の美味しさから目が離せません。

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    執筆: くらしと編集部

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