意外と知らない!ビオワインって海外では呼ばれないって知っていた?

意外と知らない!ビオワインって海外では呼ばれないって知っていた?

2018/10/25

ワインの中で今後伸びる市場として注目されているビオワイン。明確に定義がある訳ではなく、呼び方も様々です。言葉の使い方やビオワイン、自然派ワインの知識と合わせて、おすすめのワインをご紹介します。

この記事のまとめ

    自然派ワイン特集 ビオワインって何?

    有機栽培のブドウを使用したビオワインをご紹介

    ワインの世界では、地球環境や産地の個性、造り手の考え方など、商品の背景を大事にする消費者が増えています。近年、「ビオワイン」という言葉もよく耳にするようになりました。しかし、この言葉を正確に理解して使用している人は少ないのではないでしょうか?

    そもそも「ビオワイン」は、フランス語の「ビオロジック」という言葉を略し た「ビオ」に、英語の「ワイン」を付けた日本における造語で、明確な定義 はありません。
    では一体、ビオワインとはどんなワインを指すのでしょうか?


    ビオワインとは?

    ヨーロッパで「ビオ」といえば、有機栽培を意味する「ビオロジック」や、有機栽培の一種である「ビオディナミ」(※後述します)を連想させるため、「有機栽培のブドウで造られたワイン」を意味し、醸造に関しては重きを置いていません。

    日本では、有機栽培で育てられたブドウを原料としたワインを「ビオワイン」と呼び、栽培と醸造の両方で自然な造りを目指したワインを「自然派ワイン」と呼んでいます。ちなみに「ビオワイン」は造語なので、国際的には通じない言葉です。


    海外ではビオワインは何と呼ばれている?

    フランスでは、栽培と醸造の両方で自然な造りを目指したワインをヴァン・ナチュール(Vin Nature)と呼んでいます。直訳すると「自然なワイン」となります。ビオワインという言葉は使われていません。

    また、アメリカやニュージーランド等の英語圏では、オーガニックワインという言葉が一般的に使用されています。
    オーガニックとは、一般的に化学肥料や農薬を使わずに育てられた農産物や、添加物を使用していない加工品のことを指すので、栽培方法や醸造方法の違いによる名称はなく、ひとまとめにオーガニックワインと呼ばれているようです。

    有機栽培でつくられたブドウ

    ただ、アメリカのオーガニック表示は、有機栽培で育てられた原料の使用割合に応じて3つの区分に分けられており、特にワインに関しては、酸化防止剤の添加量が他国の認定基準と比較して非常に少量しか認められておらず、大変厳しいものとなっています。


    酸化防止剤の使用について

    添加物である酸化防止剤(=亜硫酸塩、SO2)は、酸化を抑え、雑菌の繁殖を抑える目的で使用されます。しかし、出来る限り少量の添加にとどめるべきですし、添加せずにすむなら加えない方が望ましいです。

    ワインはある程度の熟成期間を経てから口にするものであり、生産地から輸送される場合の品質劣化のリスクを考えると、安易に無添加を選択する生産者はいないでしょう。現在、日本の市場でも酸化防止剤無添加のワインは存在しますが、まだまだ取り扱いも少ないです。

    亜硫酸塩はワインの醸造過程で自然に発生するので、人為的に添加されていなくてもワインの成分中に存在します。また、日本では全てのワインに酸化防止剤(含有)の表記が義務づけられています。


    ビオワインとみなされるブドウ栽培について

    それでは、一般的にビオワインとみなされるブドウ栽培方法について説明します。


    ビオロジック(Biologique)

    英語の「オーガニック」に相当する言葉で、EU圏内では、フランス語の「ビオロジック」、イタリア語の「ビオロジコ」を略して「ビオ」とも言われています。

    有機農法を意味し、EUの基準では化学肥料、農薬の使用を認めず、有機肥料はEUで認定されたもののみ使用することができます。また、遺伝子組み換えや放射線処理は禁止されており、これらの手法を植え付け前に最低2年、最初の収穫前に3年以上実施している必要があります。

    認証は「Agriculture Biologique(アグリカルチャー ビオロジック)」の頭文字をとったABマークで有名なフランス農務省や、Ecocert(エコセール)等の団体が行っており、ビオロジックで生産された農作物に認定証を発行しています。オーガニックワインを買う際に、ラベルを見て確認してみて下さい。

    ワインに関しては長年原料となるブドウの栽培方法に重きを置いていましたが、2012年からは栽培方法だけでなく醸造まで規制が敷かれ、認証を受けたワインはEUのビオマーク「ユーロリーフ」とコード番号の表示が義務づけられました。

    ちなみに、日本では有機JAS法により、認証を受けたものしか「オーガニック」と表示することはできませんが、「ビオ」という表示に規制はありません。


    ビオディナミ (ビオディナミック Biodynamique)

    1924年にオーストリアの人智学者、ルドルフ・シュタイナーによって提唱された農業理念で、生力学農法、またはシュタイナー農法とも言われます。
    有機農法を踏襲したうえで、太陰暦や天体の運行を農作業や醸造に取り入れた方法で、播種、剪定、収穫、瓶詰め等は月の運行をみて最適な日時に行われます。土壌、植物、動物の相互関係の調和を重視し、栄養も循環するのが理想という観点から、肥料は牛の角と糞を使って手作りしたり、ブドウの病害にはハーブを煎じた液を散布したりして対処する特徴があります。

    1932年にドイツで設立された民間のDemeter(デメテール)という認証団体が、ビオディナミ農法の厳格な審査と認証を行っており、1979年にはデメテール・フランスも発足しました。

    尚、正確なフランス語は「ビオディナミック」ですが縮めて「ビオディナミ」と言われていることが多く、特に日本では「ビオディナミ」という名称で使用されています。
    また、英語では「バイオダイナミック」と呼びます。

    リュット・レゾネ (Lutte raisonnee)

    ブドウ栽培の農法のひとつ。具体的には除草剤、殺虫剤、化学肥料をできるだけ使用せずにブドウを育てる方法のことで、2004年にフランスで導入されました。

    有機栽培とは違って、必要な時にだけ農薬や化学肥料を使用するので、「減農薬農法」と呼ばれています。土地の条件や環境から有機栽培が難しい場合、このリュット・レゾネが用いられることが多いようです。

    日本で呼ばれている「ビオワイン」がどういったワインのことなのか、おわかりいただけたでしょうか?
    では、有機農法で栽培されたブドウを使用したビオワインを2種類ご紹介します。


    【Oppidum2015 オピドゥム】

    2007年ヴィンテージからから日本に上陸している人気のワインです。
    青リンゴやグレープフルーツの果汁のような爽やかな香りが非常に印象的です。口に含むと完熟したブドウから造られたことがわかるボリューム感と果実の凝縮感が口いっぱいに広がります。
    控えめな酸味と心地よい苦みは和食をはじめどんなお料理とも合わせられるでしょう。南仏ワインの素晴らしさを堪能できる1本です。

    産 地:フランス南部 ラングドック地方
    生産者:シャトー・ド・ゴール
    タイプ:白・辛口
    品 種:シャルドネ75%、シュナンブラン20%、モーザック5%
    栽培・認証:ビオロジック・ユーロリーフ

    【Assemblage du sud 2015 アッサンブラージュ・デュ・シュッド】

    ルーション地方で数多くのワインを手がけた「ジャン・プラ氏」と、「インポーターのディオニー」が共同開発した、コストパフォーマンスの高いワインです。
    ブルーベリーやプルーンのジャムのような香りがあり、まろやかな果実味とタンニンのバランスが素晴らしく、飲みごたえのあるワインです。

    産 地:フランス南部ルーション地方
    生産者:ジャン・プラ
    タイプ:赤・フルボディ
    品 種:グルナッシュ 40% シラー 30% カリニャン20% ムールヴェードル10%
    栽培・認証:ビオロジック・ユーロリーフ


    上記のワインはいずれも、原料となるブドウの栽培方法が有機栽培のため、ビオワイン、またはオーガニックワインと言うことができます。
    醸造過程では、酸化防止剤は添加されていますが、自然界に存在する野生酵母を利用してブドウの発酵を促していること等から、できるだけ自然な造りを目指したワインであることは間違いありません。

    ビオワイン、オーガニックワイン、自然派ワイン、これらの言葉の定義については多くの異なった見解が存在します。
    なぜなら、ワインは生産国以外で大量に消費されているにもかかわらず、国や地域によって取り巻く環境が大きく違うため、共通のルールを設けることが非常に困難だからです。
    また、残念ながらマーケティングのためだけにビオやオーガニックという言葉を利用する生産者もいます。

    今後、ビオワインの市場は更に拡大していくでしょう。
    そんな中、「私たちも選んだワインが思っていたものと違った!」なんてことにならないよう、正しい情報を得るための努力が必要なのです。

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    執筆: くらしと編集部

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